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社会環境管理

技術士受験 総合技術監理部門 社会環境管理とは

(おさらい)総合技術監理とは

総合技術監理は、公益確保を大前提に、事業運営や組織活動にあたり、5つの管理を駆使してトレードオフを調整し全体最適を継続することです。

技術士 総合技術監理部門 キーワード集の2~3ページにかけて、5つの管理とは何かが示されています。

5つの管理は、経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理です。

総合技術監理の技術体系と範囲

総合技術監理の技術体系として骨格となる管理技術は,経済性管理,人的資源管理,情報管理,安全管理,社会環境管理の5つである。これらそれぞれの管理技術の範囲を表1に示す。総合技術監理は,業務全体を俯瞰し,これら5つの管理に関する総合的な分析・評価に基づいて,最適な企画,計画,実施,対応等を行う監理業務ということができよう。

出典:文部科学省ホームページ 総合技術監理部門の技術体系(キーワード)について
総合技術監理 キーワード集 2022

表1に社会環境管理は、「地球的規模の環境問題、地域環境問題、環境保全の基本原則、組織の社会的責任と環境管理活動」とあります。

社会環境管理とは

ここから、社会環境管理とは何か考えてみます。

社会環境管理は、事業運営や組織活動にあたり、外部環境に対して全く影響を与えないことは不可能であるため、直接社会が組織に要求する法律や制度等の基準、組織が自発的に自らに課す基準を設け、その遵守を通じて負荷の低減を目指すことです。

理由は、組織活動による社会システムへの環境影響が注目されており、組織に課せられている環境面での責務がより一層大きくなっているためです。例えば、組織の生産活動の多くの要素は経済に依存しているため、外部の経済システムの中に自らの生産活動を一体化して社会環境管理を捉えなければ、組織の自由度を制限して事業継続できません。

組織に社会環境管理活動として要求されていることを認識し、それを実現する実践手段を理解する必要があります。また、法律や制度等による規定を十分に理解し適切な対応ができる技術を身に付ける必要があります。さらに、経済性の観点等から組織活動が社会環境に与える影響を検討し、必要な対策を判断する必要があります。

社会環境管理は、一言でいうと、「法律や制度等で規定された基準内の環境負荷低減」です。

ここで、社会環境管理が「近隣住民に迷惑をかけない」、「文化財を保護する」、「路上駐車をしない」、「夜中に大声を出さない」等の迷惑行為の抑制ではないことに留意しましょう。

以上を踏まえると、社会環境管理は、「環境負荷の低減」といえます。