カテゴリー
経済性管理

技術士受験 総合技術監理部門 経済性管理とは

(おさらい)総合技術監理とは

総合技術監理は、公益確保を大前提に、事業運営や組織活動にあたり、5つの管理を駆使してトレードオフを調整し全体最適を継続することです。

技術士 総合技術監理部門 キーワード集の2~3ページにかけて、5つの管理とは何かが示されています。

5つの管理は、経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理です。

総合技術監理の技術体系と範囲

総合技術監理の技術体系として骨格となる管理技術は,経済性管理,人的資源管理,情報管理,安全管理,社会環境管理の5つである。これらそれぞれの管理技術の範囲を表1に示す。総合技術監理は,業務全体を俯瞰し,これら5つの管理に関する総合的な分析・評価に基づいて,最適な企画,計画,実施,対応等を行う監理業務ということができよう。

出典:文部科学省ホームページ 総合技術監理部門の技術体系(キーワード)について
総合技術監理 キーワード集 2022

表1に経済性管理は、「事業企画、品質の管理、工程管理、現場の管理と改善、原価管理、財務会計、設備管理、計画・管理の数理的手法」とあります。

経済性管理とは

ここから、経済性管理とは何か考えてみます。

経済性管理は、事業運営や組織活動にあたり、生産性の高い活動を行うため、PDCAを回して品質、工程、原価、設備をバランスよく管理することです。

理由は、事業継続に欠かせないヒト・モノ・カネの資源が有限であるためです。例えば、品質を追求しすぎて、納期を遅延すれば、信用を失って事業継続できません。また、品質を追求しすぎて、設備を無限に導入すれば、費用がかかりすぎて事業継続できません。他には予算を厳守しすぎて、品質を無視すれば、納期は間に合うけども検査に合格せずやり直しとなり、結果して納期を遅延、追加費用がかかる等が発生します。

ヒト・モノ・カネ等の資源の現状レベルを的確に把握し、品質・納期・費用等が最適な状態になるように、生産性向上の視点等から最適な資源の配分を検討し、その結果に基づき計画・実施・評価・改善を継続する必要があります。

経済性管理は、一言でいうと、「品質・納期・費用の最適化」です。

ここで、生産性の高い活動とは、「生産の4M」の入力に対して、「PQCDSME」の出力が高い活動です。「生産の4M」は、【 人(Man)、設備(Machine)、原材料(Material)、金(Money) 】です。「PQCDSME」は、【 生産量(Production)、品質(Quality)、費用(Cost)、納期(Delivery)、安全(Safety)、意欲(Morale)、環境(Environment) 】です。

以上を踏まえると、経済性管理は、「生産活動の出力であるQCDの最適化」といえます。